アルゼンチン旅行の魅力!おすすめ観光地や治安など7つの評価でまとめて紹介
アルゼンチン共和国
(Argentine Republic)
見どころ | 5点 | イグアスの滝やパタゴニア。豊富 | |
体験 | 5点 | タンゴ、登山、氷河トレッキング | |
治安・安全 | 3点 | 南米ではマシなほう | |
食べ物 | 3点 | 肉好きなら5点以上 | |
清潔さ | 3点 | きたなくはない | |
人の良さ | 3点 | 悪くはない | |
物価 | 2点 | 不安定。高い。昔は闇両替 |
南北に長く広い国土を持つアルゼンチン。サッカー、タンゴ、民族音楽、ワイン、イグアスの滝、パタゴニアの氷河、たくさんの世界遺産、etc…。見どころが満載の国。
アルゼンチンの見どころ・観光地 5点
アルゼンチンの見どころは豊富すぎるほど豊富。国土が広すぎるので一度の旅行で全ての見どころを訪れるのは難しい。5点。
アルゼンチンの世界遺産
アルゼンチンには11の世界遺産がある(2018年時点)。
- イグアス国立公園
- イスチグアラスト/タランパヤ自然公園群
- バルデス半島
- ロス・グラシアレス国立公園
- ロス・アレルセス国立公園
- ウマウアカ渓谷
- カパック・ニャン、アンデス道路網
- グアラニーのイエズス会伝道施設群
- コルドバのイエズス会管区とエスタンシア
- リオ・ピントゥーラスの手の洞窟
- ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-
多い! 1~5が自然遺産。6~11が文化遺産。
目玉となるのは1のイグアス国立公園(イグアスの滝)と4のロス・グラシアレス国立公園(ペリト・モレノ氷河)だろう。
両方とも比較的訪れやすい。ただしイグアスはアルゼンチンの北にあり、ロス・グラシアレスは南と真逆。
旅行期間を長くとって飛行機で移動しなければ一度の旅行で両方を楽しむのは難しいだろう。
イグアスの滝
イグアスの滝はアルゼンチン北東部の端の端、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイの国境地帯で3国に渡って流れている世界最大の滝だ。
パラグアイ側からは直接見に行くことはできず、アルゼンチン側かブラジル側から見に行くことになる。時間が許せば両側から見に行きたい。ただし、ブラジルに入国するにはビザが必要だ。
アルゼンチン側の拠点となる町はプエルト・イグアス。この町からバスやタクシーに乗って25分ほどでイグアス国立公園だ。
国立公園内はとても広いのだが、遊歩道や案内板があちこちにあるので迷わず歩ける。
もしも迷ったら公園のスタッフに道を尋ねるのがいいだろう。観光客がたくさんいるので彼らについていってもいい。
公園内には鉄道駅もあり、鉄道好きにはたまらないかも? この鉄道で公園内の各エリアに移動できる。
イグアスの滝で一番の見どころは、悪魔ののどぶえ(Garganta del Diablo)と呼ばれる最大の滝だ。
落差82mにも及ぶイグアスでも最大の滝。毎秒7000トンもの水が轟音をあげて落下。悪魔がうなり声をあげるような音がするので悪魔ののどぶえと呼ばれている。
滝のすぐ近くの展望台からこの大迫力の滝を眺めることができる。時には虹が見えることも。
イグアスの滝のアクティビティ
この公園内ではいくつかのアウトドア・アクティビティが行える。
満月の前後5日のみ開催されるフルムーン・ウォークツアーや、イグアス川のクルーズツアー、ジャングルドライブツアーなど。私はスピードボートのツアーに参加した。
スピードボードは全身びしょ濡れになるので注意!
ライフジャケットを着用してスピードボートに乗り込み、イグアス川をボートで進む。滝のそばまで近づいてゆく。そして二つの滝に少し近づいてからすぐ戻っていく。
え、これでもう終わり?と思いきや、思いっきり滝に突っ込んでゆく。もうほとんど体当たりのような状態で激突ギリギリ。激しい水飛沫が降り注いてくる。
ボートに乗ってる乗客全員でキャーキャー騒ぐ。全身びしょ濡れ。でもこりゃ楽しい。子どものように騒げる。
そうして滝へのアタックを何度か繰り返した。「もう一回! もう一回!」のようなコールが挙がって乗客皆がノリノリに。いやホント楽しかった。
終わった後に困ったのが服だ。全身びしょ濡れ。濡れるとは思っていたのだがここまでびしょ濡れになるとは……。上半身裸になって下半身はそのままで挑んでしまった。
さすがにパンツ一丁はマズいだろうと思って。そしたらこれだ。
防水袋を借りることができたので上半身の服や持ち物はその袋に入れてボートに乗った。なので上半身は大丈夫。しかし下半身は脱がなかったので服ごとびしょ濡れ。そして替えの服が無い……。
結局しぼれるだけしぼって濡れたままのジーンズで公園内を回るはめになった。風邪をひかなかったのが不幸中の幸い。私が馬鹿だっただけなんだけれど、スピードボートに乗る方は水着必須! 私のような失敗はしないでください。
イグアスの滝の野生動物
イグアス国立公園内では野生動物にもよく出会える。
一番多く遭遇するのはハナグマ(アカハナグマ)だろう。アライグマ科の動物で大きなしっぽがチャームポイント。愛嬌があって可愛い。公園内のハナグマは人に馴れているので餌を求めて近づいてきたりもするが、餌を与えるのは禁止されている。
生態系の保護のため。眺めるだけにしておこう。犬歯がするどく爪も長く鋭いので不用意に近づくと怪我をする可能性もある。危険。
他の動物ではオオハシにもよく会える。これもまた愛嬌のある動物だ。黄色く大きいクチバシがかわいらしい。公園内にはジャガーなども生息しているが、観光客が立ち入れるエリアで遭遇することはまずないので安心。
観光客向けに開放されているのは公園のごく一部だ。バク、アリクイ、オウム、サイチョウ、多岐にわたる蝶なども公園内には生息している。
ちなみに「イグアス」はグアラニー語で「大いなる水(Agua Grande)」という意味。
ロス・グラシアレス国立公園
アルゼンチン最南端の州、サンタクルス州にある広大な国立公園。拠点となるエル・カラファテの町からは約80km。
ロス・グラシアレス国立公園(Parque Nacional Los Glaciares)のGlaciar(Glaciaresは複数形)はスペイン語で氷河を意味する。
この国立公園には南極大陸、グリーンランドに次ぐ面積の氷河があり、世界で三番目に大きい氷河地帯になっている。
最も大きいウプサラ氷河をはじめとして、47の大型氷河が存在している。この氷河の特徴は活発に動いていることで「生きている氷河」と呼ばれている。
夏季(12月~3月)には轟音をたてて崩れ落ちる氷河を目の当たりにできる。
たくさんの氷河のうち最も有名な氷河はペリト・モレノ氷河だろう。
ここでは氷河を歩いて横断する氷河トレッキングを楽しむことができる。日本からパタゴニア地方へのツアーには大抵ここでのトレッキングが含まれている。
なお、ペリトモレノ氷河での氷河トレッキングは65歳以下の方に参加が限定されているので、66歳以上の方はトレッキングには参加できない。ボートツアーなら参加が可能だ。
その他の世界遺産
イスチグアラスト/タランパヤ自然公園群はアルゼンチン北東部の国立公園。雑食恐竜の化石も見つかった場所で、2億年以上前の地層を見ることができる。
イスチグアラスト自然公園は印象的な奇岩の形から月の谷とも呼ばれている。
ウマウアカ渓谷(ウマワカ渓谷)はアルゼンチン最北の州、フフイ州にある渓谷だ。標高が高く(2000m以上)、さまざまな鉱物が見られる景観が南米のグランドキャニオンとも呼ばれている。
8月には大地の母パチャママに感謝を捧げるカーニバルが開催される。
カパック・ニャン、アンデス道路網はアルゼンチンだけでなく、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンの南米6ヶ国にまたがる世界遺産。
全長3万kmにもおよぶインカ帝国の道路網だ。数百年かけて作られたと言われている。
グアラニーのイエズス会伝道施設群はアルゼンチン北東部、パラグアイ、ブラジルとの国境近くの密林に残るイエズス会の伝道施設だ。当時の施設跡が残されている。
コルドバのイエズス会管区とエスタンシアは、アルゼンチン第2の都市コルドバのコンパーニャ教会やコルドバ大学などのイエズス会の建築物と、周辺の6つのエスタンシアだ。
エスタンシアとは大規模農園のことで、カロヤ農園 、ヘスス・マリーア農園、サンタ・カタリナ農園、アルタ・グラシア農園、カンデラリア農園、 サン・イグナシオ農園(現存せず)の6つ。
バルデス半島は、南大西洋に突き出たチュブト州の半島で、重要な海洋哺乳類の保護区になっている。
ゾウアザラシ、オタリア(パタゴニアアシカ)、ミナミセミクジラ、マゼランペンギン、シャチなどの動物に出会えるかも。他には180種の鳥類も生息している。
リオ・ピントゥーラスの手の洞窟(クエバ・デ・ラス・マノス)は、パタゴニア中部の町ペリト・モレノから約160kmの位置にある洞窟だ。1万年前からの壁画が存在し、800点を超える手形の跡があるのが特徴だ。手形は全て左手。
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-は、史上初の大陸をまたいだ世界遺産(7か国17物件)。アルゼンチンのものは、ブエノスアイレス南東ラ・プラタの街にあるクルチェット邸。
ロス・アレルセス国立公園はパタゴニア北部のエスケルの街から40kmにある国立公園。アルゼンチンでも最大のパタゴニアヒバ原生林があり、中には樹齢2600年もの大木も。
世界遺産以外のおすすめ見どころ
世界遺産以外にも見どころはまだまだある。
北部
チリやボリビア、パラグアイ国境に近い北の町サルタからは、富士山よりも高い場所を走る雲の列車(Tren a las Nubes)が出ている。
最高地点は4220m。車窓からは壮大な景色が楽しめる。高山病防止のため、看護士や警備員、酸素ボンベも配置されている。
北東部のコリエンテス州には、広大なイベラ湿地帯(イベラはグアラニー語で光る水)があり、ワニやカメ、サルやカピバラなどの野生動物や野鳥が生息している。
中部
アコンカグアふもとの街メンドーサ。メンドーサ州は高品質なワインの生産地として名高い場所だ。メンドーサ周辺には3000ほどのワイナリー(ボデガ)がある。ワイナリーの見学ツアーに参加してワインを味わうのも楽しい。
南部
ブエノスアイレスから3250km南下すると、世界最南端の町、ウシュアイアにたどり着く。南極圏まで1200km強。
南極に最も近い町なので南極観光の玄関口として世界中から人が集まってくる。
ウシュアイアとその周辺には世界の果て博物館、世界の果て号、世界の果て巡り遊覧船、ビーグル水道、マルティアル氷河などの見どころがある。
ウシュアイア発のツアーでは周辺の島々や湖、湾などを周遊するツアーがあり、アザラシやペンギン、ウミウなどの動物達を観察できる。
ウシュアイアからは11月~3月にかけて、南極へのツアーが出ている。10泊以上のツアーで最安4000USドル~。時期やグレードにより大きく値段は異なる。
なお、日本人が南極を訪れる場合には、南極法により事前の届け出が必要となる。
アルゼンチンの体験 5点
無形文化遺産にも指定されているアルゼンチンタンゴ。国民的スポーツのサッカー。南米最高峰のアコンカグア登山に氷河トレッキング。よりどりみどりだ。5点。
アルゼンチンのエンターテイメント
アルゼンチンといえばタンゴ。情熱的な音楽・ダンスだ。鑑賞するだけでなくレッスンに参加したり踊ったりすることも可能。
タンゴショーを鑑賞するならブエノスアイレスのタンゲリアへ。食事を楽しみながらタンゴを鑑賞できる。自分でも踊ったりレッスンを受けてみたいのならミロンガ(ダンスサロン)へ。
サッカー好きならスタジアムでのサッカー観戦もアルゼンチンの醍醐味だろう。スタジアムの窓口で直接チケットを購入することもできるし、ホテルや旅行会社から観戦ツアーに申し込むこともできる。
マラドーナやメッシの出身国であるアルゼンチンでは、当然ながら熱狂的なサッカーファンが多い。その熱狂ぶりは時には死人が出るほど。
サッカー観戦の際には服装はチームカラーに関係のない色を選ぶ、走れる靴を履く、持ち物は少なめにする、揉め事がありそうだったら逃げる、ホームのチームを応援する、など気をつけよう。色々と物が飛んできたりもするので後方の席のほうが安心かもしれない。
アルゼンチンのアウトドア
パタゴニアのロス・グラシアレス国立公園ではペリト・モレノ氷河にて、氷河トレッキングを楽しむことができる。
巨大な氷河をアイゼンを履いてザクザク歩いていく。絶景の氷河を眺めながら、氷河の氷で作ったオンザロック・ウィスキーを飲む。一生ものの体験だ。
パタゴニア地方では通常のトレッキングやハイキングもおおいに楽しむことができる。南部の町エル・チャルテンの周辺には魅力的なトレッキングルートが整備されている。
フィッツロイ山やセロ・トーレ山といった山々。デシエルト湖やビエドマ湖、ロス・トレス湖といった数々の湖。ビエドマ氷河やロス・トレス氷河。こういった大自然を眺めながら心地よいトレッキングを楽しめる。
イモトアヤコさんが挑戦したことで一躍有名になった南米最高峰の山アコンカグアもアルゼンチンにある。
アコンカグアは標高6960メートル。気軽に登ることはできないが、メンドーサ市内からアコンカグアを眺めるバスツアーが出ている。こちらなら気軽に参加できる。
真剣に登頂を目指す場合にはしっかりとした装備と食料品に相応の時間とお金が必要だ。特に標高がほぼ7000mと非常に高い。高度順化に時間を掛けなければ頂上にたどり着くのは難しいだろう。
肺水腫にかかって死にかけた日本人もいる。周辺の山々やボリビアの高地などで時間を掛けて身体を高度に馴らしておくのが懸命だ。
山や川といった自然が豊富なので、スキー、スポーツグライダー、カヤック、ウィンドサーフィン、ラフティングなどが楽しめる。バルデス半島への観光拠点プエルト・マドリンではスキューバダイビングも行える。ただし、水温は低め。
アルゼンチンの治安・安全 3点
治安は南米にしてはマシ。3点。
ただ、ブエノスアイレスと周辺のみなら2点。どこの国でも大都市にはありがちなのだが、首都のブエノスアイレスとその周辺は特に治安がよくない。
大きな街にはビジャと呼ばれるスラム街が存在する。ビジャは特に治安の悪い地域で、殺人・誘拐・強盗といった凶悪な犯罪が多発している。
ブエノスアイレスではレティーロ駅の裏にビジャ31と呼ばれる広大な貧民街が存在するので、迷い込まないように注意。
また、市内のアウトピスタ(高速道路)より南部の地域にもビジャがあるので間違って入ってしまわないよう注意しなければならない。
ビジャ以外の場所でも警戒は必要だ。スリや置き引き、バイクによるひったくりは警戒していれば予防できるだろう。道路側に荷物を持たない、持ち物は身体から離れて置かない、といった対策が有効だ。
ブエノスアイレスのサンマルティン広場、五月広場、フロリダ通り、オベリスコ、サンテルモ地区といった有名観光地では、観光客狙いのケチャップ強盗の被害も出ている。
ケチャップ強盗はまず背後からケチャップなどの臭い液体を掛けてくる。そこに親切を装った第3者が駆けつけ、汚れを拭き取ってくれるフリをしながらパスポートや金目のものを抜き取ってしまう。
何か掛けられたと気付いたら、すぐにその場を離れて他人に荷物を触らせないようにしよう。
パタゴニア地方はブエノスアイレスといった都市に比べると治安はいい。のんびりとしたおおらかな雰囲気。もちろん注意は必要。
高山病に注意
アンデス山脈などの高地ではソロチェ(高山病)に注意。標高が2000mを超えてくると症状が出てくる可能性がある。
高山病に関しては個人差が大きいので、一人は全然平気なのにもう一人は頭がガンガンで死にそう、ということも十分有り得る。
高山病の疑いがあるときは水分をたくさん取ること。高地では一日4L以上が目安だ。水分をたくさんとって安静にしていても症状が治まらない場合は低地へ降りるしかない。
アルゼンチンの食べ物 3点
アルゼンチンは肉の国。上質なステーキをお腹いっぱい食べることができる。3点。肉が大好きなら100点だろう。
この国ではメインの食事は夕食。営業時間が夜は20時~というレストランも多い。
日本に比べると開くのが遅いので注意。もちろん昼からずっと開いているレストランもある。
アルゼンチン料理といえば、牛を丸焼きにしたバーベキュー料理のアサード、日本でもおなじみのチョリソ、肉と野菜のシチュー料理プッチェーロ、牛肉鶏肉内臓盛り合わせのパリジャーダなど。肉、肉、肉。肉好きには天国だろう。
アルゼンチン南部のパタゴニア地方では、パタゴニアンラム(子羊のバーベキュー)のほか、アルパカやリャマなども食せる。
また、お肉に合うワインもアルゼンチンの名物。最近では日本でもアルゼンチン産ワインをよく見る。安くておいしいという評判だ。レストランではハウスワインのVino de la Casaがお安く楽しめる。
他には軽いスナックのエンパナーダ(ミートパイ)やマテ茶などがアルゼンチン全土で食べられる。
アルゼンチンの清潔さ 3点
それなりに清潔。3点。
水道水は飲める所が多いのだが、日本人のお腹には合わないことも多い。ペットボトルの水を飲もう。
水を購入するときは炭酸(ガス)の有るなしに気をつけること。
シン・ガス(Sin Gas)→炭酸無し
コン・ガス(Con Gas)→炭酸入り
アルゼンチンのトイレ
ホテルやショッピングモールのトイレを使うなら問題ないだろう。ホテルのランクにもよるが十分清潔。
紙が流せないトイレもある。ゴミ箱が備え付けられている場合は使用したペーパーはゴミ箱に捨てよう。水道管が細いので詰まってしまう。
アルゼンチンの人と言葉 3点
アルゼンチン人に関しては印象が薄い。「こいつ性格悪いな!」という人にも、「この人天使?いい人過ぎる!」という人にも会わなかった。3点。
どちらかというと他の国で出会ったアルゼンチン人には良い印象の人が多い。ラテン系らしい気性で、ノリがいい人達でおおらかで、一緒にいると楽しかった。
若い宣教師が世界中に布教する
チリのヴァルパライソからアルゼンチンのメンドーサへバスで移動したのだが、その時隣席に座っていたアルゼンチン人がミッショナリーだった。
ミッショナリーはキリスト教を広める伝道者。宣教師。メンドーサに着くまでの間、彼(ヘルメスさん)と色々な話をした。
ヘルメスさんはプロテスタントだったと思う。まだ26歳と若いのに西アフリカのギニアビサウにまで訪れたりと、世界中で布教活動を行っていたようだ。
一体どういう経緯でミッショナリーになることを決めたのだろう。興味深い話だった。親御さんもミッショナリーと言っていたのでその影響だろうか。もっと色々な話がしたかったな。
英語はあまり通じない
言語はスペイン語。一般のアルゼンチン人には英語はほぼ通じない。日本語はまず通じないだろう。
数語のスペイン語を覚えておくだけで旅行が楽しくなる。
- オラ!(やあ!)
- グラシアス(ありがとう)
- クワントクエスタ?(いくら?)
この3つぐらいは覚えておこう。いざとなったら大げさな身振り手振りで表現すれば案外通じる。
アルゼンチンの物価とお土産 2点
物価は高め。西ヨーロッパ並みだ。そしてインフレが激しく不安定。2点。
アルゼンチンの両替は難アリ……だった
通貨はアルゼンチンペソ($)。通貨コードはARS。
1USドル=約37ペソ。1ペソ=約3円(2019年1月時点)。
アルゼンチンペソは通貨の信頼性が低く変動が激しい。相場のチェックが必須。
両替はCasa de Cambioという両替所か銀行で行うのが一般的。日本円は扱っていない所も多いのでUSドルを持っていこう。
アルゼンチンでの両替の問題は、公定レートと実勢レートが大きく離れていることだ。
→2015年12月から公定レートが実勢レートとほぼ同じになった。この状態がずっと続くのかは分からない。注意は必要。
両替後はしっかりとお金を数えよう。これは失礼なことではなく騙されないために必須。自己責任なので。
アルゼンチンの都市部ではクレジットカードが使えるお店は多い。ATMもあちこちに有り、クレジットカードのキャッシングや国際キャッシュカードで現地通貨を引き出すことができる。
私の失敗。公定レートがおかしかった頃の話
↓は公定レートと実勢レートに乖離があったころの話
アルゼンチンでもクレジットカードやATMは便利だが、両替レートは公定レートになる。大きいお金をおろすほど結構な額を損してしまう。
私は2013年にアルゼンチンのATMで900アルゼンチンペソを引き出してしまった。手数料が20ペソだったので920ペソ。この時の公定レートが1ドル5ペソだったので、920ペソ÷5=184USドル。1ドル100円とすると、18400円だ。
実勢レートでは1ドル7.4ペソだったので、本来ならば184ドル×7.4=1361.6ペソ手に入るはずだった。私がおろしたのは900ペソ。約460ペソ損している。460ペソは実勢レートで約62USドル。1ドル100円とすると、6200円。
本来は24600円分の価値があるアルゼンチンペソを入手できたのに、18400円分しか入手できていない。6200円の損。2万円でこれだけの損。20万円だと6万2千円の損。ちょっとした手数料ならば納得できるのだが、さすがにこれは損する額が大きすぎる。
現地に住んでいる人で公定レートで両替している人なんていなかっただろう。インフレが酷いのでアルゼンチンの人達は外貨を欲しがっている。アルゼンチンペソは不安定で、価値がどんどん下がっているからだ。
アルゼンチンペソから外貨への両替は禁じられているので公にはできず、こっそり外貨に両替する人が多い。生きていくための生活の知恵だ。警察も事情は分かっているのでほぼ黙認状態になっている……。
↑公定レートと実勢レートに乖離があった頃の話ここまで。
★2013年:1ドル=7.4ペソ
↓
★2018年:1ドル=35ペソ
ペソ安が凄まじい。日本円で考えると、1ドル=100円だったのが1ドル=350円になっているようなものだ。超円安。
アルゼンチンペソは使い切ろう!
2018年現在でもアルゼンチンペソから外貨への再両替は難しいようだ。
ドルからペソへ両替した時の両替証明書が有れば可能、との話も聞くが確実ではない。
記念に残す分はのぞいて、アルゼンチンペソは持ちすぎず、全て使い切るべき。
アルゼンチンの物価
アルゼンチンの物価は変動が大きいので参考程度に。
アルゼンチンはとても広い国なので、場所によっても物価は大きく変わっていく。ブエノスアイレスは物価は高め。
地方では少し安くなる。しかし、南部のパタゴニアでは物価(特に食品)が高くなる。空輸で食料品を運んでいるためだ。
平均的な物の値段としては、ペットボトルの水1本なら100円強で購入できる。コーヒーを飲むなら250円~。
アルゼンチンでは牛肉やワインの生産量が多いので安く購入することができる。ボトルワインが400円強~。
宿泊に関しては最安ゲストハウスのドミトリーなら、800円程度から宿泊できる。
ただし、こういった施設は治安の悪い地域にあることも多い。
通常のホテルに宿泊するのなら50USドル(約5,500円)以上はみておいたほうが良いだろう。シェラトンやヒルトンなど名の通った高級ホテルなら200USドル(約22000円)~。
アルゼンチンのショッピング
アルゼンチンでショッピングするならまずはレザー製品(革製品)だろう。牛革だけでなく、ワニ皮もある。
カピバラやダチョウ、カワウソ、ミンクの毛皮製品も安く買える。他には食器やアクセサリーなどの銀製品。ブランド、ノーブランドの衣類も人気がある。
アルゼンチンに行くなら泊まりたい!おすすめホテル
マイン ホテル ブティック(Mine Hotel Boutique)
ブエノスアイレスのパレルモ地区に位置する隠れ家的ブティックホテル。何よりも評判なのはそのサービス。
プロフェッショナルかつフレンドリーなスタッフがあなたの旅行を思い出深いものにしてくれるだろう。おすすめミロンガなども教えてくれる。
アルゼンチンのおすすめオプショナルツアー
フリープランでアルゼンチンに旅行する場合などにペリト・モレノ氷河へのツアーが日本から予約できる。
氷河トレッキングを行いオンザロック(氷河の氷で!)のウィスキーを飲む得がたい体験が待っている。エル・カラファテ市内のホテル発。
アルゼンチンの基本情報:費用、アクセス、服装、チップ他
アルゼンチンってどこにある国?
アルゼンチン旅行の費用はどれくらい?
●ツアーの平均旅行代金
時折20万円台前半の激安ツアーもあるが、大抵は9日間以上で40万円~。
アルゼンチンへのアクセス
日本からアルゼンチンへの直行便のフライトはない。アメリカのダラスやヒューストン、ニューヨークやアトランタを経由していく。乗り継ぎの時間を含めると27時間以上は掛かるだろう。
アルゼンチンへの入国・時差
観光目的で3ヶ月以内の滞在ならビザは必要ない。
日本との時差はマイナス12時間。日本が夜7時(19:00)の時、アルゼンチンは朝の7時(7:00)。
アルゼンチンの気候と服装
アルゼンチンは南北で3800kmもの全長がある大きな国なので、北端と南端では気候も大きく異なる。
ブエノスアイレスやメンドーサがある地域では、旅行のベストシーズンは9月~10月の春か、3~4月の秋がいいだろう(日本とは四季が逆転している)。メンドーサでは秋はブドウの収穫期だ。
南部のパタゴニア地方ではベストシーズンは11月~4月の春から夏。それ以外の時期は厳しい気候で旅行には向かない。
アルゼンチン旅行では基本的にはカジュアルな服装で問題ない。朝晩と日中の気温差が大きいので、脱ぎ着がしやすい重ね着をしていくのがいいだろう。
長袖にフリース、ウィンドブレーカーやジャケットを合わせるのがいいだろう。アウトドア系のウェアがあれば便利。
アルゼンチンの電気事情
アルゼンチンの電圧は220~240V、50Hz。電圧が日本とは異なるので海外対応の家電製品でなければ使用できない。
また、コンセントの形状はBF型、C型、O型、SE型。日本のコンセントと異なるのでマルチ電源プラグや変換プラグを持っていこう。
最近のスマホやデジタルカメラは大抵は海外の電圧に対応している。コンセントとプラグの形さえ合えば充電可能だ(念の為マニュアルなど調べた方がいい)。
アルゼンチンのインターネット環境
都市部ならホテルやカフェ、レストランなどで無料のWi-Fiが普及してきている。ホテルでは有料の場合もある。
アルゼンチンの習慣とチップ
レストランでは料金にサービス料が含まれて居なければ、料金の10%程度がチップの目安。カフェなどでは特に必要はない。
ホテルではポーターに荷物を運んでもらった時に20ペソ、メイドさんには10ペソ程度のチップを。
アルゼンチンまとめ
アルゼンチンは日本からとても遠い国だ。地球の裏側に近い。どうしても日数が掛かってしまうので訪れるのが難しい国かもしれない。しかし、時間を作って訪れる価値が十分にある国だ。
世界最大の瀑布であるイグアスの滝。ペリト・モレノの大氷河を自分の足で歩き、氷河の崩落を自分の眼で目の当たりにする。
世界の果ての町ウシュアイアから南極を訪れる。サッカー観戦、ワイナリー巡り、体験できることは尽きない。
私もまだまだ体験していないものが沢山あるのでもう1、2回はアルゼンチンに訪れたい。
それでは、よい旅を!