この記事では
- ●アルゼンチンペソ暴落しすぎ。デフォルト8回ってなにさ?
- ●うかつにクレジットカードやATMを使って金をドブに捨てたこと
といったことについて書いています。
アルゼンチンペソ暴落し過ぎぃ
上記のチャートはアメリカドル→アルゼンチンペソの為替レート。
かつては1ドル=1ペソだったレートが2018年9月には1ドル=42ペソに! 42倍!
少し極端だがドル円が『1ドル=100円→1ドル=4200円』になったと考えれば異常さがよく分かるだろう。
1ドル=100円で食べれたハンバーガーが1ドル=4200円に! トヨタ大儲け!
アルゼンチンは信用がない。デフォルト8回! 借金返せ!
為替レートは1ドル=35ペソまで戻っているが、ここから先アルゼンチンペソは落ち着くだろうか?
厳しいだろう。なにせアルゼンチンはこれまでデフォルト(債務不履行)を8回経験している(1827年、1890年、1951年、1956年、1982年、1989年、2001年、2014年)。
デフォルトとは大ざっぱに言うと「もう借金返せません!」状態になること。
「ごめん。前に借りたお金返せなくなったわ~」なんて言う人を信用できるだろうか?
私は無理です。あのクソ野郎!
金返せ! 嫌なことを思い出してしまった……
話がそれたがデフォルト常連国のアルゼンチンは信用がない。
一時的に落ち着くことはあれど、国自体に大大大変革でも起きない限り長期的にはアルゼンチンペソの価値は落ちていくのではないだろうか。
政策金利も60%とかだし(日本は0.1%)。
アルゼンチンでお金をドブに捨てたこと
- ●2001年12月:デフォルト(7回目)。それまでは1ドル=1ペソの固定相場
- ●2002年1月6日:1ドル=1.4ペソ。公定レートと実勢レートの二重相場制。2月11日から変動相場へ
- ●2013年2月:アルゼンチンに訪問したよ!
- ●2014年7月:デフォルト(8回目)
- ●2015年12月:レートが一本化。公定レートが消えて実勢レートのみ
- ※2011年-2014年1月:管理フロート制。ペソからドルやユーロへの両替を厳しく制限
私がアルゼンチンに訪れたのは2013年。公定レートと実勢レート、2つの両替レートがあった時。
銀行で両替したりクレジットカードやATMを使ってしまうと、お金をドブに捨てるレベルで損していた時だ。
アホな私はそれをヤってしまったということです……
今はATMやクレジットカードを使っても問題無いようだが……
現在(2018年11月)はATMやクレジットカードを使ってもお金をドブに捨てることにはならないようだ。
だが状況はコロコロと変わる。アルゼンチンへ行く予定がある人は、行く直前にアルゼンチンペソの状況を確かめよう。
ガイドブックも出版物の性質上どうしても情報が数ヶ月は遅れる。ネットで確かめるしかない。
上でも書いたが価値が落ち続けている通貨なので、アルゼンチンペソを持ち続けていると損する。
ペソはアルゼンチン国内で使い切ってしまおう。
ここから下では私の失敗を無駄に詳細に書き残しておく。二度と同じような事やらないように……
2013年のアルゼンチンでATMやクレジットカードを使うと……
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは「南米のパリ」とも呼ばれており、美しい街並みはヨーロッパの大都市とも遜色がない。
そんなブエノスアイレスを歩いていると「アルゼンチンってもうヨーロッパと同じような先進国じゃないか!」と錯覚してしまいそうになる。そんなことなかった。
私がアルゼンチンに訪れたのは2013年の2月。最初にたどり着いた街はワインやアコンカグア山で有名なメンドーサの街だった。
普通にキレイな街で普通にATMが設置されていたので普通にお金を引き出してしまった。新生銀行のカード(『PLUS』マークが付いてるヤツ)を使った。
銀行のレートは1ドル=5ペソだった。まあそんなものかと気楽に考えていた。
この時引き出したのは900ペソ。1ドル=5ペソで計算すると900÷5で180ドル。1ドル=100円で計算すると18,000円。
お金を引き出して色々買い物とかした後で街中を歩いていると、街角で何度か声を掛けられた。
「チェンジマネー?」
両替の誘いだ。あれれ~? アルゼンチンって闇両替とかあったのか? と疑問に思っていると両替商の店が目に付いた。
覗いてみると両替レートが1ドル=7.4ペソになっている。おいおい、1ドル=5ペソじゃなかったのかよ。
銀行のレートを見ると、やっぱりきっちり1ドル=5ペソ。いくつかの銀行を比べてみても全部一緒。固定されてるっぽい。銀行は公の機関だからな……。
失敗したかも、と思った。ATMでお金をおろした他にも、クレジットカードでバスのチケットも買ってしまっていた。
もし公のレートが固定されていて実際のレートと離れているならかなり損してしまったかも……。気にしすぎかもしれないが。
アルゼンチンから日本に帰国。カードとATMの明細を確認してみると……
気にしすぎじゃなかった。帰国後クレジットカードやATMでおろしたお金の明細を見ると、やっぱり大損していた。
全てが1ドル=5ペソのレートで計算されている……。
アルゼンチンでは1ドル=7.4ペソの実勢レートで両替できたのに!
なのにカードで使った分は1ドル=5ペソ計算。1ドルにつき2.4ペソずつ損していることになる。
ATMで引き出した場合、1万8千円で900ペソをゲット
私がATMで引き出したのは900ペソ。色々な手数料は考えないものとして、レートは1ドル=5ペソレート。
900÷5=180ドル。1ドル=100円とすると1万8千円が口座から引き落とされる。
1万8千円を両替商でペソに両替すると1332ペソをゲット
レートは1ドル=7.4ペソ。1万8千円=180ドルとすると、180×7.4=1,332ペソが手に入る。
同じ180ドル(1万8千円)を支払っているのに、貰えるペソは900ペソと1,332ペソ。
432ペソ分の差が出る。432ペソは実勢レートで5,878円。約6千円まるまる損してしまっていることに……。
もし大金を使ってしまっていたら
海外旅行なら10万円や20万円くらい買物で使ったりもするだろう。ブランド物とか買って100万円以上使う人だって珍しくない。
1ドル100円計算で10,000アルゼンチンペソの買い物にクレジットカードを使うと……
- ◆実勢レート:10,000ペソ=約1,351ドル=135,100円の支払い
- ◇公定レート:10,000ペソ=約2,000ドル=200,000円の支払い
クレジットカードで買物しただけで約64,900円損してしまうことになる。
数%の手数料ならまだ分かる。でもこの場合は30%以上の手数料を取られているようなものだ。さすがに大損過ぎる。というか、おかしい。
たかが2万円? されど2万円! 2万円あれば美味しい物食べられる!
ATMで引き出した分とクレジットカードで使ってしまった分を合わせると、私は2万円近く無駄にした。
たったの2万円といえばそうなのだが、完全な死に金。お金をドブに捨ててしまったようなものだ。
もったいない! このお金でおいしいもの食べれたのに!
クレジットカードを使っただけで手数料30%以上取られるなんてことは、先進国ではまず起こり得ないだろう。
だがアルゼンチンではそんなことが起こった。やはり先進国じゃあないんだよなあ、なんて思ってしまう。
まあ本音は自分が損して腹が立っただけなのだけれど。
アルゼンチンペソに比べると日本円は超安定!
日本円も円高になったり円安になったりするけどペソほど激しく動いたりはしない。
超円高の時で1ドル80円、超円安の時で1ドル145円ほど。差は2倍もない。
大昔の1ドル=360円時代も入れるなら4.5倍くらいにはなるが、アルゼンチンペソはここ20年で42倍だからなぁ……
日本円はまだまだ安定している通貨ということがよく分かる(比べる対象がおかしいとか言わない)。
不安定な国に行く時は最新の情報を集めよう
ドル、円、ユーロ等とは違い、不安定な通貨はアルゼンチンペソ以外にも世界中にたくさんある。
そういった国へ旅行するときは最新の情報を集めていったほうがいい。
そうすれば、私のようにアホらしい失敗をすることもないだろう。
お金は大事! お金は大事!