次点はモンゴルの下痢。その次はトルコの下痢。
この記事では、
- ●カラフルなモノが下から出てきて死ぬかと思った下痢
- ●バングラデシュの衛生状態
これらについて書いています。言うまでもないかと思いますが、文字通り汚い話です。汚い写真はありませんがご注意を。
海外旅行中は体調を崩しやすい。お腹も壊しやすい
海外に何度も旅行をしていて『体調を崩したことが無い!』という方はまずいないだろう。
もしいたら、本気でメチャクチャうらやましい。
私はけっこう体調を崩す。単純に身体がだるくて重くなったり、頭痛がしたり、歯が痛くなったり、風邪を引いたり。
そしてその中でもよくあるのがお腹。私はけっこうお腹を壊しやすい体質なのだ。
すぐに治るちょっとした下痢程度ならいいのだが、酷いものになると下痢でも命に関わってくる。
それを身体で理解させられたのがバングラデシュだった。
人生で最低最悪の地獄のような下痢をいただいた国だ(こんなこと書いてるがバングラデシュは結構好きな国)。
チッタゴンのバンドルボン。喰らった卵で下痢喰らう
発端はチッタゴン丘陵の東、バンドルボンの町だったと思う。
この町の食堂で売っていた揚げ卵。フライドエッグ。おそらく犯人はアレ。
長い下痢の間、上の口からも下の口からも腐った卵みたいな匂いしてたし……
高温で揚げていたから問題ないだろうと食べたのだが、後になってからお腹が壊れた。
最初はただの酷い下痢かと思った。数十分ごとにトイレとベッドを往復し続けた。
しんどいけど薬飲んで休んでりゃ治るだろうと思っていた。
それが、一向に、治まらない。
時々は波が引くときもあった。そういうマシな時に移動したりはできた。
人間、気合と根性でもある程度はなんとかなるもんなのだ。気力と精神力を振り絞ってトイレを我慢することも可能。ある程度は。
固形物を控えたりヨーグルトを食べたりしていると大分調子が戻ってきた。ホッとした。
下痢ループの恐怖
だが調子が良かったのは束の間だけだった。その後しばらくの間、
という状況をループすることになった。
私もアホだが馬鹿じゃない。さすがにおかしいと思って、途中で何度も病院に行った。
バングラデシュからインドに入国し、インドのダージリン、バラナシ、デリーで三回も病院に行ったのだ。
この中には地球の歩き方に載っていた病院だってあった。料金高めだった割りに結果は……だが。
それぞれの病院で薬を処方してもらっていた。
薬を飲んで安静にしていると一旦は調子が良くなり治ったかのように思えたのだが、少しするとすぐぶり返してしまっていた。
このときは本当にしんどかった。
カラフル・便
下痢状態が治らず、酷い時は10分に1回トイレに駆け込んで水を出していた。
水様便というやつだろうか。もう本当にただの茶色い水が尻から出る。水しか出ない。固形物出てくれと祈ったくらいだ。
祈りが叶ったのか固形物が出たが、カラフルな固形物が出てくるなんて夢にも思わなかった
ワサビみたいな色のギザギザしたモノとか赤色のプルンとしたゼリーみたいなモノとかが自分のお尻から出てきた時にはこの世の終わりかと思った。
何度病院に行っても治らない。動けない。何もできない。頬がげっそりと削げてきていた。もうこのまま死ぬんじゃないかと思った。
それでもなんとか、ひたすらバナナと水(脱水になりかねないのでOS-1っぽいのも入れてた)を摂取し耐えしのいでいた。
バナナは消化によくて栄養豊富で最高の食物。神の恵み。
バナナのおかげで生きながらえたようなもんだ。でもインド料理もっとマトモなの食べたかったなあ……
下痢になって1ヶ月以上がたって、ようやく光明がみえた。
アウランガーバードという町の小さなクリニックで貰った薬と注射がてきめんに効いたのだ。
後で調べたらこの薬はシプロフロキサシンという強力な抗生物質だった。
この薬を処方してくれたお医者さんにはもう心の底から感謝している。おかげで命拾いした。ありがとうございました!
体重メチャクチャ落ちた!いいダイエットになった!
しばらくして治った後、体重を計ったら通常時より10kgも落ちていた。
体重が60kg以下になったのなんて何年ぶりだろう。そりゃげっそりもするわな。
なお、「いいダイエットになった」とか調子にのっていたら、あっという間に元の体重に戻った。
リバウンドってすごいな。やはりダイエットは地道にやるしかないようだ。
この経験のあと、発展途上国や衛生状態の悪い国を旅行するときには必ず抗生物質を持っていっている。
本当にヤバい下痢の時は市販の普通の薬は何にも効かないから。抗生物質持っておかないと死にかねないから。マジで。
赤痢かアメーバ赤痢
いやしかし、あんなに長く下痢続いたのは生まれて初めてだった。たかが下痢、されど下痢。侮れない。
当時の症状を調べてみると、どうも赤痢とかアメーバ赤痢っぽい感じの症状だった。
感染した人の10~20%で症状がみられます。 病原体を摂取して通常2~4週(幅数日~数年)で、下痢、粘血便、しぶり腹、排便時の下腹部痛や不快感などの症状を起こします。典型的な例ではイチゴゼリー状の粘血便がみられ、数日~数週間の間隔で悪くなったりよくなったりします。厚生労働省検疫所FORTHのアメーバ赤痢のページより
衛生状態の良い日本ではまず遭遇しない病気だが、バングラデシュではごく一般的な病気らしい。
ほっとくと肝膿瘍や腸穿孔といった重篤な合併症を生じる危険性があり、毎年世界で10万人ほどが亡くなっているらしいが……
……こういうことがあるから海外旅行っていうのは怖いんだよなあ。
でも止めない。止められない。
それに、たとえ怖いことがあっても対策を立てればいいのだ。抗生物質を持っていれば大丈夫!
実際、バングラデシュのだいぶ後にトルコで酷い下痢に襲われた時は、抗生物質を持ってたからそれほど苦しまずに済んだ。
お薬ってのは本っっ当に有難い。人類の英知の結晶だよ。
バングラデシュの衛生状態は改善している!いい国だよ!
バングラデシュの名誉のために書いておくが、バングラデシュの衛生状態は近年急速に良くなってきている。
経済産業省のバングラデシュに関するレポートや、ジャイカ(JICA)のレポートを見ると、近年の二十数年で下痢が原因の死亡者数は大幅に減少しているのが分かる。
代わりに増えてきている死因が心血管疾患(心臓病とか)や新生物(癌とか)や糖尿病。
バングラデシュは食生活の変化からか高血圧者や肥満者が老若男女問わず増えている。高血圧や肥満は心臓病の一因だ。
だが心臓病の患者が増えていても心臓病用の医療インフラは全く追いついておらず、富裕層は海外に治療を受けに行ったりしているという……
ともあれ、バングラデシュの衛生状態が昔に比べてずいぶんと良くなっているのは確かだ。
バングラデシュ旅行に行ってみるのもいいかと思う。結構好きなんだよね、バングラデシュ。
でも、次バングラに行く時は絶対に抗生物質持っていくけどな!