この記事では、
- ●斬首まで起こった2017年のブラジル刑務所の暴動
- ●なぜブラジルの刑務所はそこまでヤバくなったか。大きな原因は3つ
について書いています。
2017年。ブラジル刑務所の大規模な暴動、脱走、斬首
ブラジルの刑務所で大規模な暴動+脱走が起きている。
2018年にも暴動は起きているが、2017年の暴動についてはwikipediaで記事ができているほどヤバい(参考:2017 Brazil prison riots)。
こういった暴動自体はブラジルではもう珍しくもないようだが、この2017年の暴動はその凄惨さがとてつもない。
2017年暴動のあらまし
2017年1月。ブラジル北東部リオグランデ・ド・ノルテ州の州都・ナタールのAlcacuz jailで暴動が発生した。
原因はよくあるギャング同士の抗争だ。ギャングの囚人が敵対している組織の囚人に攻撃を仕掛けたのがきっかけ。
その時間帯には外からは銃声や爆発音が聞こえていたという。
2週間で26人が死亡。そのうち三人は斬首されていたという……。斬首って、首切られるのかよ……。
(ヤバい所はモザイク掛かってますが、Daily Mailのサイトでこの事件の写真がいっぱい見れます。英語ですが写真を見るだけでヤバさが分かると思う)
なぜブラジルの刑務所はこんな状態になっているのだろうか? 状況について色々と調べてみたところ、大きく3つの理由があるようだ。
ブラジルの刑務所がヤバくなった3つの理由
1、刑務所の超過密
1つ目は刑務所の超過密状態だ。ブラジルではほとんどの刑務所が収容人数を超過している状態。
サンパウロのある刑務所では、1人の看守が300~400人の囚人を監視しているという。
こんな状態だと囚人が看守の目をかいくぐるのも簡単だ。人数も圧倒的なので、施設を占拠することだってできてしまう。
2、ギャングの抗争
2つ目はギャングの抗争だ。First Capital CommandとRed Commandという2つの組織が長いあいだ停戦状態だったのが、停戦が終わって抗争が始まった。
そしてブラジルの刑務所にはこれら対立する2つの組織のメンバーが数千人規模で服役している。
囚人の中には組織に対する裏切り者もいて、報復のために殺されている者もいるという。
3、財源不足
3つ目は財源不足。ブラジルの刑務所はお金がない。
そのため、危険物の持ち込みを発見するための探知機や携帯の電波妨害装置、管理の為の電子タグといった必要な設備が備えられていない。
さらに看守も充分な訓練を受けていない。しかも給料は安い。そんな安い給料で圧倒的多数の囚人を管理しなければならない。
囚人の中には終身刑囚や死刑囚もいて「失うものなど何もねぇ!」と開き直っている危険な奴もいるだろう。
こんな状態で「しっかり仕事をしろ!」と言われても無理がある。看守も命が惜しいだろう。
以上3つが、ブラジルの刑務所環境を最悪のものにしている大きな原因だ。
不十分な設備に加え収容人数のキャパシティをオーバーしまくっている囚人数。
さらに刑務所内では対立するギャング組織の構成員達が火花を散らす……。
これはもう、どんな事件が起こってもおかしくない状態だろう。
現在ブラジルは過去80年間でも最悪といわれる不況に直面している。インフレ率は年間10%越え。
この厳しい状況では刑務所を増やしたりギャング取り締まりを強化したり、設備を充実させたりするのは難しいに違いない。
そうはいっても、この状況を野放しにはしてはおけない。国際的な注目も高まってきている。
国民からの政府への支持がゼロになってしまう前に、なにかしら手を打つ必要があるだろう。
ブラジルでだけは悪い事をしてはならない
それにしても、ブラジルでだけは犯罪行為したらダメだな(どこの国でもダメ)。
もしブラジルの刑務所に入れられたとしたら、とても生きのびられる気がしない。
あっというまにヤられてしまうだろう。死ぬより辛い目に遭わされそうだ……
おそろしい。
※参考記事