2018年11月1日公開/2018年11月29日情報更新

長距離の硬座は地獄。中国の列車はメチャメチャでゴミだらけ。座席下で寝る中国人も!

中国の列車の写真

この記事では、

  • ●中国で安いからといって長距離列車を硬座で乗ると地獄をみる

このことを自分の体験をまじえて書いています。

ただ、私が長距離硬座を自分で体験したのは10年以上前(そして二度と長距離で硬座に乗らないと決めた)。現在はここまで酷くはないかも……

中国の列車の座席は基本4種類

中国の列車には座席の種類が基本4種類あって、硬座軟座硬臥軟臥となっている(座席無しの無座というのも一応ある)。

  • ●硬座:固めの座席
  • ●軟座:柔らかめのゆったりとした座席
  • ●硬臥:1つのコンパートメントに3段ベッドが2つ有り、6名が乗車できる寝台席
  • ●軟臥:1つのコンパートメントに2段ベッドが2つ有り、4名が乗車できる寝台席

1つのコンパートメントに2名のみ乗車できる高級軟臥などもあるが、基本的には上記の4種類の座席に分かれている。

値段的には硬座がもっとも安く、軟臥がもっとも高い。値段と快適さがそのまま比例する感じ。

硬座で上海から昆明へ。地獄の始まり

私が上海から昆明へ移動した時も、本当なら硬臥に乗って寝台で移動したかった。

しかし一週間くらい満席が続きどうしようもない。軟座や軟臥も同様に満席で、硬座しか残っていないという状態だった。

仕方なく「まあなんとかなるだろ……」と硬座で乗ったのだが、これが失敗だった。まだバスとかの方がマシだった

 

上海駅に入って目的の車両を探して乗り込んだ瞬間、座ることをあきらめた。そこは自分の席だとか言う気力も無くなってしまった。

完膚なきまでに満員。長距離なのに日本の満員電車並みの混みよう。これで48時間も? さすが硬座。ハードだ。ハードすぎる。

写真はとても撮れなかったので、代わりにイメージ検索でもしてみてください。多少はヤバさが分かるかもしれない。

 

座れないので立ったまま列車は出発。なんだこの状況? ダブルブッキングしまくってるのか? 一応指定席なのに。

このときは『無座』ってチケットの存在を知らなかったので、皆が硬座のチケット持ってるのにこんな風になってる、と思いこんでいた。

長時間立ったままで動けないのって死ぬほどつらい

途中の駅では降りる人よりも多くの人が乗ってくる。アカン。盗まれないよう荷物に目を光らせつつ立ち続ける。

ちょっと足伸ばしたり、立ち方変えたり、背もたれに寄りかかったりするも、しんどい。

だんだん暗くなってきて景色が見えなくなると、しんどい上にやる事が無くなってくる。時間の経過が遅い。苦痛だ。

立っている男のいらすと

足が、足の裏がなんというか、ジンジンしてきて耐え難い。痛くはないがじんじんする。しんどい。何もせずに立ち続けるってのは凄い苦痛だ。

デジカメも持っていたのだが、この状況ではとても出せない。盗まれる。目を付けられる。本もあんま読む気がしない。つらい。

15時間以上立ち続けた

1日目は15:54に出発して、それから15時間以上立ち続けた。立ちながら寝るのって難しい。

私が眠ってないのを見てか、ちょっと生意気そうな子どもが席を少しの間だけ譲ってくれた。

これは本当に助かった。ありがとう! 座ると足に力が戻って来る……。座れるっていうのは本当に幸せ。

あと30時間ちょっと

 

この後、隙を見つけてはちょいちょい座れるようになってきた。

そうすると近くに座っている人たちとしゃべるようになり、あっさり日本人だとバレる。中国語ほとんど話せないし。

今思うとこの時は、必要以上に強く警戒し過ぎ・怖がり過ぎていたように思う。

日本人とバレたら泥棒に目を付けられる! 荷物が危ない! みたいな感じで。

そこまで警戒する必要はなかったのに。いやまあ、最後には小さな荷物盗まれたんですけど。

2日目から普通に座れるように! 座れるって至福!

イスに座れるって素晴らしい!

2日目の途中からは普通に座れるようになった。

私が日本人だから気をつかってくれたのかな? と当時は思っていたのだが、後で考えれば単に私が硬座のチケット持っていたからだろう。

多くの人たちが無座のチケットで乗りこんできて、空いている席にガンガン座っていたってだけだ。

全員が硬座のチケット持ってるって思い込んでいたからなあ……。最初から座れていただろうに。アホだ。

 

ともあれ普通に座れるようになってからは大分楽になった。立ってるのと座ってるのじゃ時間の経ち方が全然違う。

立っていた時は頻繁に時計を見て「え、まだ1時間? え、まだ10分しかたってないの?」という感じで全然時間が過ぎなかった。

座れるようになってからは多少リラックスもできるし、非常に楽。イスのありがたみを思い知った。硬座最高!

ゴミまみれの中国長距離列車

ゴミはゴミ箱へ!

それにしても中国の列車と中国人は凄かった。列車内に物を捨てるということが当たり前の常識になっていた。

全員がポイポイ捨てる。それが社会の常識という感じ。老若男女問わずもう何でも捨てる。

クッキーのカスや果物の皮や鶏肉の骨など生ゴミでもなんでもポイポイ通路に捨てる。これがあたり前といった感。

もちろん包装紙やビニールもガンガン捨てる。ゴミ捨てる所も一応あるけどすぐ溢れる。

 

通路や席の下にガンガン捨てる。タバコの灰や吸い殻も捨てる。小さい子どもが小便をもらしている。通路にだ!

陶器の器や酒ビンなどは窓からポイ捨て。地球環境とか死ぬほどどーでもいい感。

そんな文字通りゴミゴミとした中で、座席はなくとも荷物の上に腰おろしたり新聞紙しいて寝転んだりと、中国の人たちはたくましい。

座席の下の空間で新聞敷いて寝ようとした兄ちゃんもいた。うるさすぎたのか諦めていたが。

ホウキの写真
大きいホウキでお掃除

こんな状況で車内があっという間にゴミで溢れるので、朝と晩に2回、おっちゃんが大きなほうきを2本持って押し寄せてくる。

通路と席の下にあるゴミ共をかき出す。かき出しまくる。ゴミがどんどん集まり、ホントにゴミの海みたいになって流されていく……。

ゴミと一緒に流されそうだったので、自分の荷物は退避させておく。

ごはんは1日のうちに何回も「来来来(ライライライライ)!!!」と大声を張り上げた弁当売り(当時は1パック10元だった。約150円)が来る。

果物やスナックなど色々な物売りが何回も押し寄せてくる。

炒飯のお弁当
列車内でお弁当が買える

物売りが通るたびに通路の荷物を横にどけて、人間も端っこに寄ってと大忙しだ。おっちゃん達は荒っぽいけど、これじゃあそれもしゃーないよなあ。

赤ちゃん連れも多かったな。泣かれるとかな~り騒がしくて小便もたれる。可愛いのだけど。

バカみたいに巨大な荷物を持ちこんでいる人もいた。何かの家電製品だろうか? 別料金とか取られないのだろうか。

乗っていた車両のお湯が切れていたので硬臥の車両にお湯を入れに行ったりもした。その時トイレの近くで便を踏んだりもしてしまった。ちゃんと流せ!

ちらっと見た硬臥の車両は天国のようだった。そもそも人が少ない。天国と地獄。

日本に行きたい!っていう人もかつては多かった……

2日目に座れるようになってからは、周りの人たちと筆談を交えてよく話をした。そのなかで印象に残った話がある。

「日本じゃ一年で5万元(約75万円)貯めれるの?」

「貯めれるよ」

「中国じゃとても無理。日本に行きたい」

でも、日本に行きたくとも当局に5万元 納めないといけないとかそんなことも言っていた。

中国の人たちは自由に海外に行けないし、行けたとして働いてお金を稼ぐのはさらにハードルが高い。難しいだろう。

がんばって働けば5倍、10倍のお金が貯められるっていうのなら、そりゃあ行きたいよなあ。

昆明に到着したのだが、盗まれてた! 全然気づかなかった!

昆明のお寺の写真
昆明まで長かった……

さて、この列車は48時間かかると聞いていたのだけれど、予定より6~7時間早く昆明に到着した。3日目の朝9時過ぎ。運がよかった。

昆明到着時には、食料品を入れたビニール袋をあっさり盗まれてしまった。ほんの少し目を離した隙に……

あんなにあっさりと盗まれるとは。全然気づかなかったよ。大事な物ではないからいいのだが、ビビった。

 

列車から降りる時、列車内で色々と親切にしてくれたお兄さんについていくことになった。

席をゆずってくれたりタバコいっぱいくれたり(いらんと言ってもくれる)、色々注意事項とか教えてくれた人。

たまたま席が近くになっただけだし、たぶん悪意は無いだろうと判断してついていった。

親切にしてもらうと嬉しい。これも旅行の醍醐味

タクシーに乗って彼の会社へ。三菱? 協力会社か何かか? フロント綺麗。だけど住居部はいかにもな中国。お茶をもらってすぐ出発。

その日の昼ごはんは包子とスープを死ぬほど食べてしまった。お腹が苦しい……。

私が西双版納の景洪へ行くというと、バス停に連れて行ってくれた。

 

水とか食べ物とか昼食代とかタクシー代とか、全部この兄さんがおごってくれた

なんでこんなに親切?……と思っていたら、どうやら日本のコインが欲しかったらしい。

それぐらいならお安いご用! 100円玉しか持ってなかったのでそれをプレゼント。喜んでくれたようで何より。

あとで写真を送ってあげようと住所を尋ねると、何故か名刺の名前と違う名前を書かれる。ペンネーム? 名前を使い分ける必要がある職業? 謎だ。

ちょっと下心があったとはいえ、この兄さんにはとても親切にしてもらった。ありがとう。

長距離の硬座はもう絶対二度と乗らねぇ!

上海→昆明のような超長距離で硬座に乗ったのは私の人生でこの1回きり。そして今後も乗ることはないだろう。何としてでも回避する所存。

今だからこそ笑い話で「いい経験だった」と思えるのだが、その当時はそりゃあもうキツかった。地獄のようだった。

次はどんな手を使ってでも硬座だけは避ける!

長距離の硬座はもう絶対二度と乗らねぇ!!


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