2018年10月26日公開/2019年2月3日情報更新

タイで三浦建太郎のベルセルク(13巻!)を読んでいた少年が忘れられない

私は漫画が好きだ。大好きだ。日本の漫画は質量ともに世界一だと思う。世界中いろいろな国を歩いて回ったけれど、日本より漫画が凄い国なんて無かった。

「漫画なんてガキの読むものだ」なんて言うヤツは無視していい。現代日本の漫画は多様性に溢れている。

とても子どもには読めない大人向けの漫画がたくさんある。子ども向けであっても大人でも楽しめる漫画がたくさんある。日本の漫画は本当に多種多様なのだ。

 

そんな漫画について、忘れられない光景が1つある。タイでの話だ。

どこの駅だったかは忘れたがBTS(バンコクの高架鉄道)の駅構内だったと思う。制服を着た学校帰りらしき少年が、電車が来るのを待っていた。

私は反対側のホームから、なんとなくその少年を眺めていた。少年はうつむいて本を読んでいるように見えた。

「何の本を読んでいるのだろう? 学校の教科書かな?」と何気なくその本を見ると『ベルセルク』だった。

その少年は12~13歳くらいだったろうか? まだまだ幼さの残るかわいらしい男の子だった。そんな子が読んでるのが『ベルセルク』。

「やるなあ、少年!」と口笛でも吹きたい気分になった。

しかも後で思い返してみるに、どうもあのベルセルクは13巻だったような気がする…… カバーの絵が13巻っぽかったような……

ベルセルク13巻といえばあの「蝕」の巻だ。ネタバレになってしまうので詳しくは書けないのだが、漫画史に残るレベルの衝撃的な巻。

いやホント「蝕」の場面凄すぎるんですよ。100年後にでも残っていそうなレベルなんですよ。

 

でもベルセルク、しかも13巻なんてもう完全に大人向けの話だ。絵も話も完璧に大人向け。

エロい意味ではなく大人向け(エロスもあるけど)。子どもには刺激が強すぎる。

あのかわいらしい少年は、ベルセルクの13巻を読んでどんな衝撃を受けただろう。トラウマになってやしないか。

それともアレがきっかけになって、ますます漫画にのめり込んでいたりして。

彼の読んでたベルセルクは、ちゃんと原文の雰囲気残した翻訳になっていたかなあ。変な訳になっていなければいいのだけれど。

ある本を初めて読めるのは一生で一回だけ。いい読書体験になっていたらいいな。

 

なんてそんなことを、10年以上経った今になっても時々考える。

少年だった彼も今では立派な大人になっているだろう。今でも漫画読んでるかな? 読んでるんじゃないかな。漫画って尋常でなく面白いし。

漫画って本当に良いものですよ。漫画があるっていう1点だけでも日本に生まれてよかったと思う。漫画最高!


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